さて今月15日、北海道連合海区漁業調整委員会は令和3年度の秋さけ沿岸漁獲速報を発表した。
こちらはその名の通り“北海道沿岸での鮭漁獲量”をまとめたもので、実際に今どこのエリアが好調かを見定める際など我々釣り師にとっても非常に有益な情報だ。
今年は昨年よりも不漁となる予想も出ているが、果たして実際の数字はいかなるものか。
早速詳細をチェックしていこう。
秋さけ漁獲速報の全体の数字は?去年よりも多い?少ない?
各地の内訳に入る前に、北海道全体の鮭水揚げ量をみていきたい。



秋さけ漁獲量 | 尾数 |
2020年 | 1,572,577 |
2021年 | 1,733,675 |
9月10日現在の秋サケ沿岸漁獲尾数は173万匹。
こちらは昨年比9%増と若干ではあるが漁獲増でのスタートとなったようだ。



ただ数字的には依然として不漁の範囲に違いなく、
前回記事にしたようにイクラ不足や来遊予想でも不漁の見通しのためか、漁獲金額はなんと40%増の48億5925万円となっている。
そしてもう一点気になるのが漁獲匹数は前年を上回っているものの、漁獲量に関しては減少している状況になっていることだろうか。






秋さけ漁獲が増えた地域は?
では地域別の数字をみていこう。
秋さけ漁獲が昨年よりも増えたのはオホーツク、根室の2つのエリアだ。
尾数(千匹) | 昨年比 | |
オホーツク | 1367 | 127.2% |
根室 | 140 | 118.6% |
オホーツクは昨年に関しても出だしは好調で、特に西部と中部の数字が良く、こちら側は釣りに関しても鮭が良く上がっている情報を耳にしていた。
逆に有名ポイントが並ぶ網走ー知床岬などの東部側は去年に引き続きマイナスとなっている。
そして根室方面は数字だけ見ると獲れているように見えるものの、これは昨年の数字が非常に悪かった(一昨年と比べると35%しか獲れていない)ためと考えるのが妥当。
根室は秋サケ来遊予想でも過去最低と予測されており、また同海域の鮭釣りは今年ほとんどいい情報を聞いておらず、依然厳しい状況となりそうだ。
秋さけ漁獲が減った地域は?
では一方で漁獲が減ったのはどのエリアだろうか。
尾数(千匹) | 昨年比 | |
えりも以東 | 115 | 62.5% |
えりも以西 | 24 | 85.1% |
日本海 | 86 | 47.2% |
数字だけをみるとえりも以東、えりも以西、そして日本海の三つのエリアが昨年よりも漁獲数が伸び悩んだ。
特にえりも岬以西では昨年比でなんと約12%しか獲れていない。ほか様似、浦河なども下げ幅が大きくほとんどの地区で不漁が深刻化している。
ただこちらは海水温が依然として高い影響もあり、9月半ば以降に獲れ始めることに期待したいところだ。
そして意外にもニュースなどで再三取り上げられていた日本海側中部(雄冬岬ー積丹岬)は昨年よりも数自体は減少している。だがこのエリアは昨年が前年比273.4%ともともとの数字が高いため、例年と比べると今年も上向き傾向と読み取ることが出来そうだ。
また檜山地方などを含む南部方面は前年比142%とこちらも好調なスタートを切った。
まとめるとどこが釣れるの?
今回の数字は大きなエリアごとに分けての紹介になったので、一部地域の増加した数字については見逃した場面も多い。
なので最後に詳細な地域ごとの漁獲増加エリアを見ていこう。
秋さけ漁獲増加エリア!
オホーツク~西部(宗谷岬ー枝幸)、中部(雄武町ー常呂町)
えりも以西~胆振、噴火湾、道南
日本海~南部、数字は減ったが中部も〇
以上が実際に昨年よりも数字が増加したエリアになる。
なお根室に関しては先ほど記載した理由により、増加した地域には当てはまるもののリストには記載していない。
特に赤字にした胆振、噴火湾、道南は昨年同期比で200%前後と大幅な上昇となっている。
水温も平年並みのため、9月後半以降も昨年以上の鮭の来遊が期待できそうだ。その他、近年上向き傾向な日本海側は昨年ほどではないものの、やはり熱いエリアとなりそう。
いずれにしても秋さけ漁獲は始まったばかり。
今後の本格化を期待するとともに、我々釣り人も出来るだけ多くの鮭に出会えることを祈るばかりだ。



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