北海道の極寒の海で釣れた寒ボラを料理してみた!!

さて今回の記事は、先日のサクラマス釣行で奇跡的にゲットしたボラの調理編。

サクラマス狙いで島牧遠征。岡さんとボラ、ときどきトド

釣り場で男3人に食べていただいた時は、かなりの不評だったこのボラだが…。
料理好きの筆者が本気で料理してみたら、果たしてどうなるのか。

まずはボラを捌いていく。

ではさっそくメイン食材のボラに登場していただこう。

あまりまな板では出会わないビジュアル。もちろん筆者も初めて。

いきなりで非常に失礼な話ではあるが、まな板が似合っていない。


前置きをしておくと、筆者は幼いころから大の魚捌き好き。
釣った魚はもちろんのこと、小学生の時にはお年玉でヒラメを一尾まるごと市場で購入してきて捌いていたほどなのだが、

なんだろう。
人生で初めて魚を捌くのをかわいそうと思った。

くの字に曲がったお口。顔に似つかわしくないクリクリとした大きな瞳。

まるで「なんで僕を食べるの?」と訴えかけてくるかのようだ…。

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そして切り身に。身は非常に綺麗!

なお、あらかじめネットで調べた情報だと”ウロコが非常に飛び散りやすい”とのことだったので、台所ではなく野外で先に処理済み。
一応取ったウロコは唐揚げにすると美味しいらしい。(臭いを抜くために料理酒につけて一晩おく)


なんだか臭いがした気がしたので手袋着用。ボラ君よごめん。

鱗の処理が終わったら、あとは他の魚同様に三枚おろしへ。
なおボラは目の周りが濁っていて、黒目が澄んでいていると脂ののりが良い証拠らしい。なにしろまぶたまで脂がのっているからだそうだ。


ここまでくるともう立派な”食材”

三枚に下ろしたら、腹骨を鋤いて大まかな捌きの行程は完了。
なお恥ずかしいのでアップの写真はのせなかったが、ボラのあまりのつぶらな瞳に動揺し、身がガタガタになった。

そしてメイン。ボラのお刺身。

捌き終わったところで本日のメイン料理に取りかかる。

色々とレシピに迷ったが、やはりここは”素材本来の味が楽しめる刺身”でいただくしかないだろう。
他の味付けは一切無し。ボラ自体の味わいで勝負をしにいってみる。


ビジュアルは最高。皮を引いたボラの身。

あの大きなうろこが付いていた皮を引いてみると…どうだろう。
血合いの美しい模様。見た目だけで言ったらアジやマダイにも引けを取らない。

一枚一枚丁寧に切っていき、盛りつけ。
包丁の辺り具合からするに、身質はかなりしっかりしている。

それでいて捌いている手がべたつくほどの脂乗り。これはかなり期待出来るかもしれない。

カマは塩焼きに!

お次はカマ部分。
煮付けにしても間違いなく旨そうだったのだが、ここはまたしても直球勝負の塩焼きにしてみることに。

こちらは塩をサッと振り、魚焼きグリルにぶち込むだけだ。

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余った身は唐揚げへ。


そして残った身は、超万能調理法、唐揚げへ。

釣り師なら恐らく大好きだったであろういきなり黄金伝説という番組では、よゐこの浜口氏がいつもウツボなどの得体の知れない魚を調理していたアレだ。
なお東京・荒川で幼少期を過ごした筆者は、よくコイを釣って食べていた中国人から”揚げれば何でも食えるヨ”と教わっていたくらいの万能調理法。

大抵の臭い魚でも揚げれば食える。

今のところ全く臭みの要素はないが、念のため保険としてこの調理法を選択。

画像から揚げている音が聞こえてきそうなくらいジューシー。

気持ち少し高温でカラッと揚げると、めちゃくちゃ美味しそう。
匂いも非常に良い感じで、これは期待大。

実食!ボラのフルコース料理

かくして、全てのメニューが出揃った。

完成!ボラのフルコース。

もうまな板の上でかわいかったボラはない。あるのは絶品(今のところ見た目だけ)お魚フルコースだ。
我ながらこれだけで3000円は取れそうなほど見た目は旨そう。

ただ、忘れてはいけない。相手はボラ。

恐らく、ヘドロを食べていたボラしか知らない幼いころの筆者に見せたら、泣いて逃げ出すに違いない。

実際この料理を目の前にした本人も、どっからか臭うんじゃないかと鼻をクンクンさせている。
先入観とは恐ろしい物だ。

醤油に浮く脂がお分かりいただけるだろうか。

ではさっそくメイン料理のお刺身からいただいてみよう。
臭いを消してしまう恐れのあるわさびは付けずに、醤油のみでそのままパクリ。

ん?

kawaguti
ぜっんぜん臭くない!!

何度も何度も口の中で転がしながらじっくり味わって食べたが、全く臭みのような物は感じられない。
よく”旨い寒ボラの刺身はマダイにも勝る”と聞いていたが、本当にそのレベルの味だ。

アッサリしているかと思いきや、どこかに真アジのような優しい甘みを感じる。
これには筆者も驚きを隠せなかった。釣り場で食べたあの味はなんだったのか。

そしてお次はカマの塩焼き。
スッと箸でつつくと、じわっと脂が溢れ出す。もうこれ、食べなくても旨いのが分かる。

お味はというと、マジで真鯛。
筆者的には刺身よりも好きかもしれない。脂には甘みがあり、これはいくらでも食べられそうだ。

そして最後は困ったときの伝統調理法、唐揚げ。

もはや先ほどの刺身と塩焼きで旨いのはわかりきっているのだが、お味はというと…。

あ、これヒラメだ。

サクっとした皮目からはまるでヒラメのような風味が香り、中はフワッフワ。
ポン酢などを軽く付けると、もう誰もボラとは思わないであろう高級魚のお味。

ああ、ボラってこんなに美味しかったのか。

まとめ・真冬の北海道のボラは旨かった。

そんなわけで今回は地域によって非常に差が激しいボラ料理に挑戦してみた。


正直言うと、料理を食べる前の筆者は絶対臭いと思っており、刺身の一口目もかなり慎重になって味を確かめたほど、今回のボラ料理には不安があった。
しかし、結果的にどの料理も絶品。ボラに土下座して謝らなくてはいけないレベルで、食べ終わってみると、ボラ=臭いのイメージは完全に払拭されていた。

これを読んだ読者のみなさまも北海道の冬にボラが釣れた際には、ぜひ調理して食べてみていただければと思う。

ボラ、マジで旨い。