さていつものようにSNSを見ていると道東方面の釣り師さんが”ししゃも”を爆釣しているのをちらほらと目にするじゃないか。
魚体を見る限り、子持ちししゃもとまで卵が成熟していないものの、今時期のは逆に脂がのっていて非常に美味。現地かつ新鮮な状態でしか食べれない刺身などにしても最高に美味しいお魚だ。
なお前日は出張で羽田空港にいたkawagutiだが、睡眠時間もそこそこに、今が旬の高級魚”ししゃも”を釣るべく道東まで車を走らせた。
現地には朝4時着。けあらし発生レベルの寒さ。
道央道をひた走り、仮眠を取って現地に着いたのが午前4時ごろ。
鮭釣りほど大賑わいではないだろうと油断していたのだが、やはり情報が回っているようで堤防はなかなかの混み具合となっていた。



ちなみにこの日の気温はなんと0度。海には湯気のような”けあらし”が立ちこめ、手袋なしでは一瞬で手の感覚がなくなりそうな寒さだ。



釣り方を知らない読者の方のためにおさらいしておくと、ししゃもの仕掛けは一般的なサビキ釣りで狙うのだが、付け餌として生のイソメを1cmほどにカットして使うというのが少し特殊な点だろうか。
しかもこの氷点下に迫るような寒い朝に小さな針にイソメを付けるのが非常に大変。
そこで釣りを始める前にイソメを車内であらかじめ付けておくのが素早く釣りがスタートできてオススメ。イソメは一度付けてしまえば数匹釣るまでは外れないが、白くなってふやけてきたらすぐに交換するのが釣果アップに繋がる。
一投目は野菜の香りを漂わせるあのお魚。
ボトムまで仕掛けを落とし、小突くように誘うこと数分。
フォールの合間にグッと力強い手応えが伝わってきたので合わせを入れる。ずっしりとした重みからしてししゃもではないっぽい。若干走りつつ、すぐに抵抗がなくなったことから青魚でもなさそう。
野菜臭を漂わせて上がってきたのはキュウリウオ。ビジュアルだけ見ると大きなししゃもにも見えるが、こちらはししゃもと同じキュウリウオ科のキュウリウオだ。その名の通り野菜のきゅうりと同じ臭いがする。



しかしこの魚。名前とは裏腹に焼けばほんのりと鮎のような香りに、皮を引いて刺身にすればあのきゅうり臭は完全に消え、美味しい白身魚として味わえる。
筆者も冬の何も釣れないシーズンはこのキュウリウオのみを狙って氷上から狙ったこともあるのだが、今回の目当てはあくまで高級魚”ししゃも”だ。鋭い牙に気をつけながら、海なのに野菜の香りがする魚をリリースした。
本命本ししゃも現る!
辺りはうっすら明るくなり始め、周りのおじさま方もどうやら本命をキャッチし始めた様子が伺える。
筆者にもそれらしきアタリは何回かくるのだが、合わせが決まらなかったり、巻いてくるまでに口切れしたりとなかなか上がらない。
実は仕掛け一つ、針一つで釣果がめちゃくちゃ変わるのがこの釣り。簡単なように見えて実は奥深いのがこのししゃもの面白さでもある。
それでも細かな誘いを続けていると、明らかにキュウリウオと違った繊細かつ小さいながらにしっかりと抵抗するししゃもの引きがあった。






約1年振りにスーパーに売っているカペリンではない本物の姿を拝むことが出来た。魚体の中央部がうっすらとシロギスのようなパールピンクに輝いていて実に美しい。



それからはラッシュがきたようでパタパタと連続ヒット。なお鮭よりも更に時合いによって食い気の変わる&群れが移動するお魚なので、kawagutiにしては珍しく写真も取らずに次々と釣り上げていった。
一旦休憩して午後は友人も参加。
それから日が昇って1時間ほどでぱったりとアタリが止まり、釣り場全体も大人しくなってしまったのでご飯がてら一旦休憩。
再度お昼からほぼ釣り初めての友人を連れて参戦し、レクチャーしながら本命を釣らせることに成功した。






中には画像のような手のひらを大きく越えるビックなししゃもも現れた。このサイズになると干すにはもったいなく、お刺身や昆布締めにしたら飛ぶほど旨い。
最終的に朝と夕方の計4時間で40匹ほどのししゃもを釣り上げることに成功。最盛期は一束(100匹)上がることもあるのだが、いきなり遠征しての釣果にしては十分だろう。
鮭同様に年々不漁になっているししゃも。この日は10匹も釣れていない人もいたので入った場所+小さな当たりを取れるようにPE0.3、Lクラスのシーバスロッドとスタンダードな磯竿の二刀流で挑んだのも功を奏したのかもしれない。
楽しんだ後は…ししゃもの一夜干し&昆布締めを堪能。
そのままノンストップで自宅まで帰宅し、眠い目をこすりながらししゃもを一晩塩水に漬けて一夜干し&大きい個体はいくらのお裾分けでいただいた羅臼昆布に挟んで昆布締めに。






仕事から帰宅すると部屋の魚臭さにびびったが、その代償に一串1000円はゆうに超える贅沢なししゃもの一夜干しが完成していた。冒頭でも書いたようにたまごはまだ未成熟だが、身を楽しむなら今時期が最高に美味しい。
その証拠に焼くと脂が浮き出し、魚焼きグリルから皿に移す前にそのままかじりついてしまいたい代物になった。うーん、もう少し近くの漁港でも釣れたら最高なのだが。ただ釣れる時期も約1ヶ月と短く、まさにこれからの時期がシーズンとなる秋田県は男鹿半島周辺のハタハタ釣りを彷彿とさせる。
ちなみにししゃものお味はもういうまでもない。この魚独特の味わい&口内に溢れる脂は遠征してでも釣る価値のある魚だった。
機会があれば、お次は卵がぎっしりになった頃合いにあと一度くらいは足を運びたいところである。
みなさんは北海道の堤防釣りで非常にレアな魚が釣れるのはご存じだろうか。小さいのに1匹100円くらいの値段が付き、その独特の香りとほくほくとした食感などから塩焼きが美味しいあのお魚だ。ぐっどくん子持ち○○としても有名だな![…]
※ししゃもの釣れる釣り場は限られています。ルールとマナーを守って楽しみましょう。