みなさんは北海道の堤防釣りで非常にレアな魚が釣れるのはご存じだろうか。小さいのに1匹100円くらいの値段が付き、その独特の香りとほくほくとした食感などから塩焼きが美味しいあのお魚だ。



そして鵡川が名産の・・・
なんと本ししゃもだ!
普通、え?ししゃも釣りなんて聞いたことないよという方が大半なはず。実際に北海道でも道東方面の漁港の一部でしか釣ることができず、情報もほとんど出回っていない。
ではどんな釣り方で釣れるのかというと・・・
超お手軽なサビキ仕掛けで釣れてしまう!
もちろんスーパーでよく見るカペリンではなく本物のししゃも。これだけで気になった人も多いのではないだろうか。
そんなわけで今回は高級魚ししゃもの知られざる釣り方を解説していく!
そもそもししゃもってどんな魚?
まず初めにししゃもの簡単な生態についておさらいしていこう。
~ししゃもとは~
・大きさ約18cm
・晩秋に産卵のため、川へ遡上する。
・普段は動物プランクトンなどを主食としている。
・8月半ば~11月までの北海道の太平洋側でしか釣ることが出来ない。
恐らく、本州の皆さんがししゃもと聞いて想像するのは先ほども書いた、単価も安くごく一般的なカラフトししゃも(カペリン)の方だろう。



しかし、今回紹介する本物のししゃもは味も値段も全くの別物。太平洋沿岸でしか漁獲されず、漁期も10月からの1ヶ月ほどと非常に短く希少なお魚だ。
是非一度、この本物の味を釣って食べてみて欲しい。
ししゃもの釣れる地域は?
ではさっそくししゃもの釣れる地域についてご紹介していこう。先ほどの項目で記載したように、ししゃもは基本的に北海道の太平洋側でしか釣ることが出来ない。
従って釣れる場所も非常に限られているが、居る場所にさえ行けば、タイミングによっては100匹越えの大漁を目指すことも可能だ。



そんなししゃも釣りで有名な場所といえば道東の釧路港一帯だろう。
ただ港には立ち入り禁止場所もあるので釣り場付近の釣具店で事前に聞くのがオススメだ。あまり具体的な場所を明かすと場が荒れてしまう可能性があるので詳しくはご紹介しないが、同じく十勝の一部港でも釣ることが出来る。
ししゃも釣りのタックル(竿とリール)について
ししゃも釣りではサビキ釣りが主な釣り方となるので、現地でもサビキに使える3m前後2号程度の磯竿を用意している釣り人が多い。



ただ、長さがあまり必要になる釣りではないので、釣具店の特売コーナーに並んでいるような安い磯竿で問題ない。
ちなみに誘いをしっかりと伝えやすいルアーロッドも選択肢に入り、磯竿が無い方は普段使っているライトクラスのルアーロッドでも代用可能だ。
大漁を狙うなら、置き竿と手で誘う竿と2本用意するのが望ましい。
ししゃも釣りのリールについて
ししゃも釣りのリールは・・・ドラグ性能は必要ないので基本的には何でもOK。
今ロックフィッシュなどで2000番ほどのリールを持っていればそれで十分代用が可能だ。
もし専用にこだわって購入するなら1000~2000番クラスの小型リールを用意しよう。
↑糸付きで3000円
なお、この釣りに関しては筆者は900円のワゴンセールのリールを使っている。糸もナイロンでもPEでも何でも可能。ただこだわりたいなら小さなアタリの取りやすいPEの0,8号くらいを巻くと釣果アップに繋がる。
群れが来て忙しくなるとついリールを地面に直置きしてしまうことがあるので、むしろ高いリールはもったいないなく、非常にお財布に優しい釣りだ。
ししゃも釣りに使う仕掛けは?
一番気になるのがこのししゃもの仕掛けだろう。一口にサビキと言っても号数だったりスキンや皮などいろんな種類が存在する。
初めての方がししゃもを釣りに行く際にとりあえずこれだけは買っておいて欲しいと思うのが・・・
白ハゲ皮の針7~8号。まさにこれだけで十分。
この白ハゲ皮の商品でも特に釣れる商品があるのだが、それは現地の釣り具店で実際に探してみてほしい。
また置き竿の場合は下手にスキンや皮が付いているよりも素針タイプの方が食いが良い場合もあるので、色々お試しいただくのがいいだろう。
ししゃも釣りの餌について
普通サビキ釣りと言えば撒き餌を撒いてそのままの仕掛けで行うのが一般的だが、ことししゃも釣りにおいては針にアオイソメを付けて狙うのが特徴となる。



意外かもしれないが、生イソメの新鮮なヤツをサビキの針1つ1つに付けて釣る。
この時、垂らしの長さは1cmほど。全ての針に付け終えたら、あとは海へ投入するだけでししゃも釣りスタートだ。
ししゃもの釣れやすい時間帯について
ししゃもは日中でもポツポツとは上がるものの、数を狙うなら他の魚同様にやはり朝か夕方がベスト。
ししゃもは居着く魚ではなく、アジやイワシと同じように回遊して釣り場にやってくるので潮回りも重要となってくる。
基本的には潮止まりなどはあたりがパッタリと止んでしまう事が多いだろう。
特にマズメの時間帯なら全ての針にししゃもが掛かってくるなんていう夢のような状況にも・・・。季節的には手のかじかむ寒い時期だが、頑張って釣れる時間帯を狙ってみるのが釣果を伸ばす秘訣となる。
ししゃも釣りの誘い方!
仕掛けを海に投入したら、底に着底するまで待とう。
底までしっかり着いたのを確認したら、ベールを戻し、糸ふけを取る。
あとは底をトントントンと一定のリズムで叩くだけ。
底を小突くイメージと言えば分かりやすいだろうか。
最大で一日200匹以上釣った経験からすると、ししゃもの当たりがあるのは9割がベタ底。そしてサビキの一番下か2番目に食ってくることが多い。
しばらくしていると、群れが居れば当たりが来るのでスッと竿を上げるイメージで合わせ、巻き取るだけ。
すると・・・
まるで本州で釣れる”砂浜の女王”と呼ばれるパールピンクに輝くシロギスのような美しい魚体のししゃもが釣れる。
まるでそっくりさん!キュウリウオとの見分け方
堤防でししゃも釣りをしていると、間違えやすい外見がそっくりな魚が良く釣れる。
それが、キュウリウオ。
試しに上の写真を見て欲しい。2匹はししゃもなのだが、1匹だけキュウリウオが混じり込んでいる。
どれかお分かりになるだろうか・・・。
正解は右のお魚!
大きさがほぼ同じな上に、色まで一緒なので素人目だと非常に間違えやすい(毒などはないので普通に食べれる)
見分けるポイントとしては、
・口を開いたときに小さな2本の牙があるか。
・キュウリのような青臭い臭いがするか。
といった点を注意して観察してみよう。なお、慣れてくれば一目で見分けることが出来るのでご安心いただきたい。
まとめ・高級魚ししゃも釣りの世界へ
そんなわけで今回は知られざる高級魚ししゃもの釣り方をご紹介してきた。
北海道の道東限定と場所は限られてしまうものの、道具も揃えやすくサビキ釣りという簡単な釣り方で狙える手軽なお魚。お子様でも気軽に楽しむことが出来、ファミリーフィッシングにもおすすめだ。
また夜釣りも楽しいのがこの釣りで、投光器を用意すれば一日を通して狙うことができる。
そしてなにより、一夜干しにして食べたら・・・
もう手が止まらない絶品だ。
一度食べるとスーパーで売られている子持ちししゃも(カペリン)が食べられなくなるほどの旨さ。
是非一度、狙ってみてはいかがだろか。