1月下旬、我々釣り師にとって驚くべきサイトの情報が公開された。
それが・・・
「フィッシュセールより引用(https://fishsale.jp/)」
「fish sale(フィッシュセール)」だ。
釣魚オークションサイト 一本釣り鮮魚を安く買える!…
筆者もSNS上に回ってきて初めて知ったのだが、どうやら釣った魚でオークションを行うことが出来るサイトらしい。
このブログをご覧になっているみなさまも、釣りをしていて「釣った魚が売れればなー」などと一度は思ったことがあるのではないだろうか。
その願望をまさに叶えるサイトがついに世に放たれようとしているのである。
しかし、手放しで喜ぶのはまだ早い。
このサイトには売るために根こそぎ釣られたら・・・、もし毒魚が売られたら?といったリスクも多々あるからだ。
今回はそういった問題点も含め、今話題の「fish sale(フィッシュセール)」について解説していきたい。
fish saleの運営者は?
現在公表されているリリースによると、「fish sale(フィッシュセール)」の運営会社は下記のもの。
Fresh Speed株式会社(所在地:大阪府大阪市、代表取締役:長辻 博史)。
サイト自体はまだは事前登録の段階で、実際にサイトが利用できるのは4月1日からだ。
なお、代表取締役のfacebookページがあるようなので覗いてみるとこのような投稿を見付けることが出来た。
「さすがに食べきれず、友人やご近所さんにお配りしました。こんな嬉しいけれど困ったときに、こんなサービスがあればな~。そう思って釣り仲間達と作ったサービスです。リリース今暫く待ちください!!」
(hiroshi nagatuji@facebookより引用)
どうやら代表自らが釣り師で「釣りすぎてしまったときにこんなサービスがあれば」と思ったのがこのサイトの出来たきっかけのように伺える。
fish saleのサービスは?
では次に、fish saleの詳しいサービス内容についてみていきたい。
「Fish Sale」は個人が釣った魚を簡単な手順で1匹から出品することができるサービスです。買い手は日本全国の海で釣られた新鮮な魚を検索、欲しい魚をオークション形式で入札し、競り落とすことができます。
サービス提供の背景として、個人や集団が大量に釣れた魚を処理しきれずに余らせてしまう事例があります。「Fish Sale」は釣れた魚、余剰な魚を廃棄するのではなく、飲食店や個人に提供したい、というニーズや悩みを解決するオークション形式の売買サービスです。
「(ニコニコニュース)https://news.nicovideo.jp/watch/nw4754476」
fish saleは一言でいうと「釣った魚専用のオークションサイト」のようだ。
登録した後の主な動きとしては、
購入者 fish sale内で商品を探す→入札・落札→代金の支払い→商品到着
といった流れになる。
なお実際に取引が成立すると、出品者となる釣り師側は10%の手数料が発生する。(事前登録で半年間5%)
システム的にはまさにメルカリなどのフリマサイトの魚バージョンといった形。



残念ながらメルカリでは「賞味期限が到着後1週間以内に切れる食品」の出品は禁止されている。
生魚では種類にもよるが、鮮度が維持されるのは2,3日。よって現状釣った魚のメルカリでの出品はNGだ。
そこで今回新しく登場する「fish sale(フィッシュセール)」の出番ということになる。
fish saleのメリットは?
では実際にfish saleのメリットについてみていこう。
まずは出品者(釣り師)側のメリットだが、これはやはり釣った魚がお金になるという点だろう。
釣りはなにかとお金が掛かる。釣り師なら一度は釣れた魚がお金になればと思ったことがあるのではないだろうか。
ただ、サイトを見ていると少し突っ込みたくなる記述も。
釣りが趣味のAさん
釣りは大好きですが、釣った魚の処理に困ります。だれか買ってくれたら、売れたお金で新しい釣り道具も買えるのに。。。。



逃がせばいいんじゃ・・・
これに関してはキャッチ&リリース推奨派に何を言われてもおかしくない内容である。
その他、サイト上に掲載されていたメリットは市場が休みの日でも新鮮な魚が手に入るといった点などだ。
fish saleの問題点は?
当ページをご覧になっている方々で、一番気になっているのがこのサイトの問題点についてだろう。
実際、SNS上では
「食品衛生法とか大丈夫?」「そんなことしたら漁師はどうなる」「寄生虫とかどうするんだ」
といった反対意見が多数見受けられた。
現段階のサイトの情報がなにもないまま判断するのは難しいが、デメリットとしては他にも・・・
1.成長までに時間の掛かる根魚などの資源減少
2.素人目線によって起こりうる毒魚の販売
などが考えられるだろう。
特に1に関しては、このサイトを利用して生計を立てようとするものが現れ、フィールド内の貴重な魚が根こそぎ釣られるという可能性も。
2についても実際、三重県のとあるスーパーがパリトキシンを含む毒魚”ソウシハギ”を販売し、ニュースになったのが記憶に新しい。
仮に大衆魚のみの販売制限が掛かれば別だが(サイト内に珍しい魚もといった旨の記述があるのでその可能性は低い)、素人目線のやりとりによって、出品者も購入者も毒魚を判別できずに、実際に購入してしまうというケースも十分あり得てしまうのではないだろうか。
鮮度の維持は・・・
他にも懸念されるのが、送った魚の鮮度の維持だろう。
通常スーパーに並んでいる魚などは専門の業者などがしっかりと鮮度管理した上で輸送されている。
しかし、このfish saleに出品する人々は完全な素人だ。
中にはしっかりと血抜きをして腹ワタを取るなどの処理が出来る人もいるが、実際にはめんどうだからとそのまま送るケースが発生しかねない。
しかも、出品して全ての商品にすぐに買い手がつくとは考えにくい。
結果として売るためにキープしたのにも関わらず、売り手がつかずに腐って捨てるといったフードロスに繋がる可能性も十分にあり得る。
このデメリットを考え、大手フリマアプリやオークションサイトでは鮮魚の取引が行われていないのだろう。
ターゲットはそもそもオフショア専門?
これは代表である長辻氏のfacebookを見て思ったことなのだが、どうもオフショアでの魚の取引を想定しているように感じる。
というのも投稿が船での釣果ばかりなのだ。
確かに船釣りならば船長がその場で神経締めをしてくれたりと鮮度を保って持ち帰ることが出来る。
しかし、ショアからの釣りとなるとどうだろうか?鮮魚が落ちた魚が出品される可能性はもちろん、工業排水などで汚染が進んだ河口などの魚が取引される可能性も存在する。
こういった点からも、生魚を使ったオークションは非常にリスクが高い。
fish sale(フィッシュセール)の登録方法について
では実際に「fish sale(フィッシュセール)」に登録するためにはどのようなことをする必要があるのだろうか。
以上で事前登録は完了だ。
あとは4月のリリースを待つだけ。
まとめ・どうなる?「fish sale(フィッシュセール)」
そんな訳で今回は、賛否両論で今なにかと話題のfish saleについてまとめてみた。
釣り師にとって朗報かとも思えるこのサイトだが、よく考えてみるとデメリットも多いことが分かる。
しかし、「出品魚の制限はあるのか」「発送方法はどうするのか(鮮度の問題)」といった肝心の詳しい情報に関してはまだまだ配信されていないので、全てを判断するのは早い。
サービス内容によっては釣り業界に革命を起こすとも言える「fish sale(フィッシュセール)」。
今後の続報に期待したい。