皆さんは北海道で釣れるイカといえばなんのイメージだろうか。
恐らく一般的にマイカ(スルメイカ)やヤリイカ、そしてマメイカ(ヒイカ)を思い浮かべるのではないだろうか。




一方で本州でもっともポピュラーなのがイカの王様とも呼ばれるアオリイカ。
春と秋のシーズンには多くのエギンガーが堤防や磯に通い詰め、エギングで一番のターゲットとなるのがこのイカだ。親イカと呼ばれる個体は1キロを越えて引き味も抜群。そして何よりその身は肉厚で食べても非常に美味なことでも知られている。
実は近年、あのイカの王様”アオリイカ”が釣れるのをご存じだろうか。














なんと筆者、昨年の北海道で約2ヶ月間の間でアオリイカを50パイほど釣り上げることに成功。確実にこの地でもアオリイカエギングが成立する手応えを得たのだった。
そんなわけで今回は、今密かに確立されつつある北海道内におけるアオリイカの釣り方を徹底解説していこうと思う。
アオリイカって?
そもそも北海道の皆様にはアオリイカというイカ自体の馴染みが薄いかと思うので、先にこのイカの生態などについて簡単にご紹介していきたいと思う。
~アオリイカとは~
・寿命は多くのイカと同様に1年。シーズンは春と秋
・北海道南部以南の沿岸に広く生息。
・その身は他のイカよりもかなり分厚く、刺身、炙り、炒め物、フライとなんでもよし。本州では大人気ターゲット!



特にこのイカの食味は素晴らしく、分厚くてジューシーなその身はほかのイカにはない味わい。シンプルに炙りに塩だけで食べても噛めば噛むほど甘みが出てくるその味に多くの人が虜になるだろう。
そしてイカは冷凍保存が利くことから、万が一食べきれなくても冷凍して数ヶ月間は楽しむことが可能なのも嬉しい点だ。
アオリイカの釣れるシーズンについて



北海道でアオリイカの釣れるシーズンは本州同様に春と秋の2シーズンのみ。
だが実際は春のシーズンはほとんど釣果例がなく、基本的に釣れるのは数釣りシーズンの秋(9月下旬から11月初旬)と考えるのが良いだろう。
特に秋は夏に生まれた個体がある程度育ったコロッケ~とんかつサイズと呼ばれる中小型個体が沿岸部に多く見られるようになる。こちらは親イカと違って育って間もないので警戒心も薄く、初心者の方でも比較的簡単に釣ることが出来るはずだ。
アオリイカのタックルについて
それでは実際にアオリイカを釣るためのタックルをご紹介していこう。
なおこのイカの釣り方には疑似餌(エギ)を用いたエギングとアジなどの活き餌を使うヤエン仕掛けの二つが代表的だが、今回はルアーロッド一本で誰でも気軽に楽しめるエギングについて解説していく。
アオリイカのエギングに必要なロッドについて
道内におけるアオリイカのエギングに必要なロッドは先ほども書いたように秋イカが中心となるので、エギのサイズも2.5号から3号を扱えるML~Mクラスが必要となる。
長さは本州同様に8~9fのエギングロッドが扱いやすいだろう。
長さ:8~9fクラス
アクション:M~ML
入門用に1万円以下で買えるおすすめロッドはダイワのリバティクラブ エギングやメジャークラフトのソルパラ エギングなどが挙げられる。このクラスを1本持っておけばヤリイカなどにも流用できるので、アオリが釣れないシーズンにも無駄なく使うことが出来る。
なおもうワンランク上を狙うならやはりセフィアリミテッドやストイストといったフラグシップロッドもあるが、実際毎年確実に岸寄りする保証がない北海道ではもてあましてしまう可能性も高い。(まあ筆者はまんまとハマってストイストを購入したが)
本気でエギングにのめり込みたい場合でもエメラルダスAIR AGS辺りの中級機で十分楽しめるだろう。
シーバスロッドでも流用できます。







ちなみに釣ってみたいけどエギングロッドまでは…。というとりあえずエギングに挑戦してみたいという方にはシーバスロッドを流用するのがオススメ。
エギングロッドはその名の通り、エギをシャクる為の専用設計となっており
○シャクり続けても疲れないように軽く、短いものが多い
といったメリットが存在する。






しかし9fクラスのシーバスロッドでも十分に釣ることは可能で、それどころか筆者がエギングロッドを購入する前は8fMLのパックロッドとワールドシャウラ2832で釣っていた。
よって無理に購入することは無く、まずはお手元にあるロッドで挑戦してみて、エギングにハマりそうだなと思ってから専用ロッドに手を伸ばすのも十分にアリだ。
アオリイカのエギングに必要なリールについて



次にアオリイカに必要なリールについて。
アオリイカでは基本的に細糸のPEをメインとして使用するので、出来れば自重も軽いものを選択するとベストとなる。目安としては250g以下、200g前後ならバッチリだ。
番手的にはシマノであればC3000番、ダイワであれば2500か3000番のものを選ぶとよいだろう。
シマノ:C3000番
ダイワ:2500~3000番
先ほどご紹介したダイワ エメラルダスシリーズや、シマノのヴァンキッシュなどが当てはまる。そしてハンドルが不自然に回るとイカが不審に思って離れてしまう恐れがあるため、可能であれば勝手に回りにくいダブルハンドルを選ぶとなお釣果は伸びる。
ラインはPEを選ぼう。
アオリイカ釣りにおけるラインは少しでも距離を伸ばすため、そして潮流の影響を受けにくいPEを選択するのが一般的になる。
太さは0.6号から0.8号が扱いやすく、リーダーはフロロの2号を選べば間違いないだろう。リーダーの長さは60cm程度取れば問題ない。
そしてエギ用のスナップも忘れずに用意するようにしよう。スナップなしだとエギの動きが悪くなってイカへのアピールが少なくなってしまう。
PE:0.6~0.8号
リーダー:フロロ2号
北海道でアオリイカを釣るならずばりこのエギ!!



ではいよいよアオリイカを釣るためのエギについてご紹介していこう。
釣具店にいくと無限に種類があって、アオリイカを初めて狙う方が一番迷うのがこのエギ選びではないだろうか。今回は去年筆者が使っていてとりあえずこれがあればなんとかなるなと感じたとっておきの2本をご紹介しようと思う。
まず一本目はデュエルから出ているパタパタ ダートマスター。ラトルはありなしどちらでも可で、カラーはモンスターマスターや藻場マスターがよく効いた。
初めて行く場所ではとりあえずサーチ的に投げて、追いや反応が無ければイカがいないと判断するくらいには気に入っていた一本。北海道では店舗に在庫が無いことも多いので、購入の際はネットがオススメだ。
そしてこちらは本州では使ったことのないエギンガーはいないだろうというほど超王道のエギ王Kシリーズ。特にムラムラチェリー(通称ムラチェ)カラーはいつも売り切れ必須で、ケイムラボディと視認性の良さからイカの反応も抜群。
またエギ王Kは実店舗での取り扱いも多いため、エギの品揃えが悪い北海道でも道央圏の大型店舗なら取り扱っているケースも多いはずだ。
アオリイカの誘い方について。



タックル、そしてリール、エギが揃えばあとは釣りに行くだけだ。
なおこの誘い方=シャクりの動作がアオリイカ独特のアクションで、やり方が分からないという方も多いはず。
もっとも一般的な誘いはワンピッチジャークで、ロッド一回のアクションに対して、リールのハンドルを一回転させてエギを左右にダートさせる動き。
もう正直これに関しては動画の方が圧倒的に分かりやすいので、ここはヤマシタの川上英佑の動きを真似ていただくのが最も上達に繋がるだろう。
機会があれば(もっと上手くなれば)そのうち、ふぃっしんぐっどのyoutubeチャンネルでも釣り方を紹介できればと思っている。
道内でアオリイカが釣れる場所は?
そして気になっている方が多いであろう問題がこの釣り場について。
なんといっても北海道のアオリイカ釣りについてはまだ未開拓な点が多く、googleで釣り方を検索しても一件もヒットしないのが事実。




だが、昨年筆者が集めた情報では余市方面から松前方面までのかなりの広いエリアでアオリイカの目撃情報及び釣果情報が入っており、実際全く情報が無い釣り場で何杯もの良型アオリを手にすることが出来た。
基本的に潮通しの良い漁港や磯ならどこにでも可能性があるので、気になったらぜひ竿を出して振ってみるのが一番の近道になる。イカがいれば数投で追いや反応が見られるはず。



北海道でアオリを釣るなら墨跡を探すべし。
そんな情報だけじゃ心許ない!と言う方に向けて、アオリイカを探す上でのもう一つ重要なポイントを一つ。
それが、墨跡を探すと言うこと。



道内のアオリイカはまだまだ情報が少ないとはいえ、実際に狙っている隠れエギンガーは結構存在する。
そんな隠れエギンガーが残したアオリイカの墨跡(本当は流すのがマストだけど)を発見することが出来れば、その場にアオリイカが生息しているのは間違いないだろう。
またその時間に反応が無くても、朝マズメや夕マズメに再度チャレンジするなどしてみるといいことが起こるかも?
まとめ!まだまだ未開拓!北海道のアオリイカ釣りにチャレンジ。




そんなわけで今回は北海道におけるアオリイカの釣り方をご紹介してきた。
釣り方やポイントなど、まだまだ未開拓な点が多い道内のアオリイカだが、時期と場所さえ間違わなければ写真のように釣りとして確立するのは十分に可能だ。
なによりアオリイカならではの重量感たっぷりな強烈なジェット噴射は本当に癖になる。もちろん食味も最高なので、まだ食べたことの無い方はぜひ釣って味わっていただきたい。
知られざる魅力たっぷりの北海道アオリイカエギングを貴方も一度お試しになってみてはいかがだろうか。
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