さて突然だが、みなさんは身近に潜む外来魚をご存じだろうか。



釣り人にはお馴染みのブラックバスを初め、ブルーギル、沖縄などの暖かい地域ではティラピアなど多くの種類が外来魚が日本に持ち込まれて繁殖している。
ただそれら外来魚は基本的に暖かい地域、水温を好むものが多いため、筆者の住む北海道では冷水魚であるニジマス、ブラウンくらいしかみることがないのだが、今回なんと山菜採り中の筆者がとんでもないカラフルな熱帯魚に出会ってしまったのだった。
山の中に小川?見るとメダカっぽいなにか。



4月中旬の某日。北海道は道南地方の某所にて、今がシーズンの行者にんにくを探していると道中で小さな湿地帯を発見した筆者。
普段であればどこにでもある水たまりのため、あまり気にしないのだが、一緒に山菜採りをしにきていた当ブログお馴染みのHIROKIが興味本位で水たまりをのぞき込んでみる。









一応道南の一部地域には野生のメダカが生息しているとは聞いたことはあるが、まさかこんな小さな止水にメダカ?。
水面は太陽の反射で見づらいが、確かに表層付近に数センチほどの小さな魚の群れが確認できた。
となるとこれは捕まえてみるしかないだろう。
山菜採り後に網を持ってリベンジ。
ただ本日の目的はあくまで山菜採り。そんな都合良く網を持ってきているわけはないので、とりあえず山に捨てられていたペットボトルを切り取って捕獲を試みる。
水たまりの中心部にいるものはさすがに届かないので、岸付近の単体の個体にゆっくりと近づき…
捕獲。



ケースも持ち合わせていないので、とりあえず手をしっかりと濡らしてグッピーらしき魚を撮影。ただこの個体だけでは決定打に欠ける気もする。
そんなわけで翌日。ダイソーで網を購入して再びこの地を訪れることに。
そして捕獲。北海道の野良グッピー
そして翌日。いよいよ止水の外来魚?の謎を解き明かすときが来た。
残念ながら虫取りシーズンにはまだ早いと言うことでアクアリウム用の小さな網しか用意できなかったが、仕方あるまい。
ゆっくりと水面をのぞき込むと、大小様々な謎魚の群れ。
限界まで腕を伸ばし、人の気配に気付いて逃げようとする小魚に網を一振りして…。



ついに謎魚を捕獲完了。見た目はグッピーor特定外来生物のカダヤシのメスっぽい。
後者だと持ち運ぶだけで違法となるので、確証を得るべく種類の判別がしやすいオス個体の捕獲を試みる。
カダヤシならオスメスともに地味なヤツなはずだ。
そして網に入ったのがコレ。
画像をよくみていただければ分かるかもしれないが、明らかに在来種にはない鮮やかなオレンジ色の発色が確認できる。
上から見るとメスとは違って長く美しい尾が確認できた。これはグッピ-で間違いなく、その中でもワイルドフォームと呼ばれる品種のようだ。
もとからこの品種が放流されたのか、はたまた長年の野生生活を経てこのような原種らしい見た目へと進化を遂げたのか。
実に不思議ではあるが、北海道の山奥の止水でこのような個体に巡り会えるとは。
非常に面白い発見となった。