多くの釣り師が憧れるシマノ・ワールドシャウラ。
ワーシャの愛称で親しまれ、世界基準で戦える数多くの番手、そしてその汎用性の高さからバーサタイルロッドとしても名高いこのロッド。
そんなワールドシャウラから2020年5月、マルチピースモデルとしてドリームツアーエディションなるモデルが発売された。
先代ツアーエディションのフルモデルチェンジとなるこのロッド。今回はそんな期待のロッドを先代のツアーエディションと比べながらインプレッションしていこうと思う。
ドリームツアーエディションとは?



もともと世界各地のゲームフィッシュを対象として開発されたのがこのロッド。全ての番手の仕舞寸法は55cm以内で、航空機内への機内持ち込みが可能。預け時の破損やロストバゲージなど何かとトラブルが起きがちな遠征において、実際に肌身離さず持ち運べる当シリーズは多大な威力を発揮する。
その対象魚は日本のブラックバスからトラウト、オーストラリアのバラマンディ、タイのピラルクー、アラスカのキングサーモンなど、私たちの身近なターゲットから世界各地の怪魚にまで渡る。
また写真上に写っているが、今回のモデルから円筒型の専用ハードケースが付属。これによりハードケースを別途購入する手間が省けるようになった。
先代からの進化
では実際に先代との比較をしていこう。
今回のドリームツアーエディションは大きく分けると”デザイン”・”ブランクス”の2つの進化が顕著であると感じた。



まずデザインについて。今回のドリームツアーエディションのデザインは初代シャウラの黒、初代ワールドシャウラの青、第三世代ワールドシャウラのスーパーレッドを纏った他のロッドにはない特徴的なカラーリングとなっている。
その差は先代(下)と比べても一目瞭然。恐らくこのカラーリングだけで”カッコイイ”と心を奪われたアングラーも多数いるはず。筆者のその一人で、正直このビジュアルでまず購入を考えた一人だ。
釣り場で振っていて遠目で眺めていても間違いなくドリームツアーエディションと分かる赤と青の配色。値段なりの所有欲を満たしてくれるのは間違いない。
また写真を見ていただけると分かるが、今回のモデルから#5~4の部分の繋ぎ目にもスーパーレッドの塗装が施されており、見た目からして5ピースには思えない。
ただ一点だけ残念なのが先ほどベタ褒めしたこのブルーの塗装。配色は最高で遠目に見たら申し分ないのだが、本当に近くでよく眺めると塗装が安っぽい。
なんといえばいいのだろう。簡易的にプリントしただけのような模様なのだ。むしろここは初代と同じ無地のスーパーブルーだけでよかった気がする。
オーロラエアロコートの採用。



また#1~3には見る角度によって色合いが変わるオーロラエアロコートを採用。ワールドシャウラといえばレインボーチタンコートだが、開発者の村田基氏曰く、この技法を使うと10万円を超えてしまうとのこと。
そこで今回のモデルから採用されたのがオーロラエアロコート。
従来のレインボーチタンコートよりも薄く、それでいて感度も良く、さらに軽量化にも繋がっている。
ブランクスはさらに強く
そして二つ目の進化はハイパワーXとスパイラルXコアの採用によってさらに強化されたブランクスだろう。実際筆者が実釣してみたところ、同じ8fのモデルでも明らかに先代よりも飛距離と強度が上がっていると感じる。
マルチピースモデルを使用したことがない方はつなぎ目が多い事から強度の面で不安を感じることも多いはず。
しかしこのドリームツアーエディションはそのような耐久面の怖さを全く感じない。実に信頼感のある造りとなっていた。
ドリームツアーエディションを実釣してみて
筆者がこのロッドを手にしてから約2ヶ月。磯、サーフ、堤防で実際に使用して見た。
その結果、これは十分メインとして戦えるなと。
はっきりいってこれが5ピースのロッドとは思えなかった。難しいことは抜きに、遠征だけでなく近場の釣りでも持って行きたくなるビジュアルと性能。使っていて”この竿なら何かが起きる”
持つだけでそんな事を思わせるような洗練された作りの銘ロッドといえるだろう。
実際通常バスロッドを使用することはあり得ないようなサーフでのヒラメ釣りでも、このドリームツアーエディションの飛距離なら海のロッドと大差ない飛距離を叩き出すことで十分通用することが分かった。まさにどんなフィールドでもマルチに戦えるモデルといえる。
ドリームツアーエディションのラインナップ
では最後にワールドシャウラ・ドリームツアーエディションの番手について。
現在このドリームツアーエディションは魚種別に合わせて9つの種類がラインナップされており、今回はその中でも筆者オススメの4つのモデルを簡単にご紹介していく。
対象魚問わず!1652RS-5
その対象魚はブラックバスやボートシーバスなどの身近なターゲットから、別売りのエクステンションバッド使用時にはスロー系ジギング&ワンピッチジギングまで楽しむことができる。
対象魚を問わずマルチに戦える。まず迷ったときはこの1本といってもいいモデルだ。
ヘビーな相手に!1653R-5
1652よりもよりヘビーなターゲットを狙うならこの1653R-5。
ルアーウェイトは10~40g、ジグウェイトは180gまで背負えるこのモデル。ショアからのパワーゲームもジギングもこの1本でこなせるハイスペックなロッドだ。
トラウトからリーフフィッシングに!2702R-5
お次はスピニングの万能ロッド2702R-5。
こちらは国内では北海道のビックトラウトから沖縄のリーフフィッシングにうってつけの番手となっている。
川も含めて国内旅行で使うスピニングタックルを選ぶならまずこの1本で間違いないかなといった感じだ。
2パワーなので不意の大物にも十分対応が可能。
マルチなスピニングモデルなら迷わずコレ。2832RS-5
最後は筆者も使用している2832RS-5。
先ほどの2702よりも飛距離を必要としたフィールドを中心に考えるならこのロッド。
パワー的には北海道のサケはもちろん、アラスカなどのビックネイティブにも対応することができる。
本格的な遠征を考えるならこちらのロッドをおすすめしたい。