さて少し前の話になるが、道総研さけます・内水面水試から今年の秋サケ(アキアジ)来遊予想が発表された。
本来このデータは漁業関係者や水産業者などが役立てる物なのだが、実は私たち釣り師にも参考になるデータだったりする。



昨年は過去最低クラスの不漁だった?



本題の令和2年の秋サケ来遊予想を見る前に、昨年の来遊予想とその結果を見ていこう。
昨年の来遊予想は3,704万尾だったのに対し、実際の来遊数は1,756万尾。この数字は前年度比76%となり、平成以降最も少なかった平成29年(1,737万尾)次いで少ない量となった。









恐らくこの数字を見て鋭い方は「全然予想当たってねえじゃねえか」と思うだろう。実際昨年の来遊数は予想の半分(40㌫)程度だった。
令和2年の来遊予想からは改善?
この来遊予想は”生存率を左右するとされている1年目の稚魚が海に出る春の道内沿岸海水温の状況や、前年の来遊数など”から予測を行っている。
しかし近年の予想数と実際の数の差を受け、今年度からの来遊予想ではこの外れ度合いを改善するために”令和 2 年の予測ではできるだけ最近のデータを使用し、過去 3 年間における予測値からの外れ度合い(下振れの程度)を考慮して予測値を算出するといった対策を行ったようだ。
今年の秋サケ来遊予想は増加傾向!
ではいよいよ今年(令和2年)の秋サケ来遊予想はどうなっているかをみていこう。
結論から言うと今年の全道来遊数は1,990万3千尾と予測され、昨年よりも13%増となっている!
地域別に見ると以下のグラフの通り。
◎オホーツク
海域 | 地区 | 令和2年予測値 | 前年比 |
オホーツク | 東部 | 5,100千尾 | 113.0% |
中部 | 2,579千尾 | 108.4% | |
西部 | 2193千尾 | 127.5% | |
小計 | 9,872千尾 | 114,6% |
◎根室
海域 | 地区 | 令和2年予測値 | 前年比 |
根室 | 北部 | 1,754千尾 | 85,1% |
中部 | 847千尾 | 108.3% | |
小計 | 2,601千尾 | 91,5% |
◎えりも以東
海域 | 地区 | 令和2年予測値 | 前年比 |
えりも以東 | 東部 | 407千尾 | 83,5% |
西部 | 845千尾 | 91.6% | |
小計 | 1,252千尾 | 88,8% |
◎えりも以西
海域 | 地区 | 令和2年予測値 | 前年比 |
えりも以西 | 日高 | 1,519千尾 | 119,0% |
胆振 | 744千尾 | 106.5% | |
噴火湾 | 648千尾 | 124,7% | |
道南 | 437千尾 | 180,9% | |
小計 | 3,348千尾 | 122,3% |
◎日本海
海域 | 地区 | 令和2年予測値 | 前年比 |
日本海 | 北部 | 886千尾 | 123,4% |
中部 | 995千尾 | 130.7% | |
南部 | 950千尾 | 198,8% | |
小計 | 2,831千尾 | 144,6% |
このデータを見る限り、記録的な不漁だった昨年に比べ、えりも以東(十勝・釧路管内など)、根室北部を除いてほとんどの地域で秋サケの来遊が増加傾向となっており、期待が持てる状況となっている。
よって2020年は主産地とされるオホーツクやえりも以西、日本海。
この3つのエリアが狙い目釣り場といえるかもしれない。
特に日本海南部に関しては前年比で198,8%と2倍近い伸び率。昨年の鮭釣りにおいても全道的に不調が続いていた中、唯一日本海だけが調子がよく、筆者も足繁く通っていた記憶がある。
データの通りになってくれれば、今年も期待出来そうなエリアとなりそうだ。
まとめ・データを参考に楽しい鮭釣りライフを
そんなわけで今回は、道総研さけます・内水面水試が発表している令和2年秋サケ来遊予想を釣り師向けに解説してきた。
これらの考察はあくまで予想となるものの、今後の鮭釣り場選びに少しでもお役立ち出来れば幸いだ。